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2005年10月29日

●最後の転職先?

転職希望の方が10人いたら10人の方が「次ぎの転職先は最後の転職先にしたい」とおっしゃられます。
当然、それは自然な気持ちだと思います。

しかし、実際最後の転職先になるかどうかは全く解りませんよね。
銀行が象徴的だと思うのですが、今から20年位前に銀行に就職した人の中で「銀行が倒産する」とか「合併によりリストラされる」なんというのを誰が想像できたでしょう?
これからの世の中、どれだけ優れた企業も、いつ倒産やM&Aの憂き目に遭うかどうかも解らないですし、仮にその企業は存続しても、そこに置かれる人の身分保証は全くありません。

次ぎの転職先が「最後の転職先」になるかどうかなんというのは、解らないのです。
少なくとも、その転職先『企業』に期待をかけ過ぎるようなことであれば、その未来はないでしょう。

転職相談者の方々に申し上げるのですが、「次ぎの転職先は、次ぎの次ぎの転職先のための次ぎの転職先である」
少々煙に巻いた言い方に聞こえるかも知れませんが・・・・

よく次ぎを最後の転職先にしたいが為に、その決断をするために、知人に相談したり、財務データを分析したり、業界での地位を調べてみたりと...いろいろな角度から吟味され、その結果、いざ入社ということになります。
しかし、入社してみると、例えば「休日出勤が常態化している」「嫌な上司、感じの悪い同僚が経営者から大きな評価を受けている」等々...事前に調べのつかないような現実がどこの企業にもあります。
あれだけ一所懸命、事前に充分調べたのに関わらず、現実を直視してみると「なんだか、この会社は自分の最後の転職先にふさわしくない」ような気分になります。
そう思った瞬間からまた「最後の転職先」を探す行動(転職活動)を引き起こしてしまうのです。

最後の転職先企業にするもしないのも、自分の気持ちの持ち方なのです。
転職先企業の「環境」に重点をおいている以上、自分の理想とするような企業とは先ず巡り合わないでしょうね。

次ぎの転職先企業は次ぎの次ぎの「未だ見えぬ」転職先企業のための企業と思っておけば(要するに、最初から”この企業は最後の転職先にならないかも知れない”)・・・
そう考えることにより、当該転職先企業には環境面の期待は薄くなり、この企業では「自分は何を身につけ」「どういう結果を出す」のか、自分中心の考え方ができます。
日々ひたむきに仕事をすることにより、そのうちそれらを社内の人間が評価し、そして社外の人間が評価するようになったくれます。(見る人は見ているのです)
その時には、ひょっとすればその企業は貴方の理想とする姿に変わっているかも知れませんし、仮に不本意にも再度転職をせざるを得なくなった場合でも、そこでの実績は次ぎの企業からの評価につながっていきます。

これからの世の中、所属する企業はアテになりません。すべては「己(おのれ)自身のキャリア」なのです。

誤解のないよう申し添えますが・・・
身につける「キャリア」の中には適度な人間対応力も含まれています。


~人材紹介コンサルタント 中野康孝~