●管理職世代の転職とキャリアアップ
男女雇用均等法が謳われ、女性の総合職・管理職の人数も増えてきましたが、まだまだ女性の進出に保守的な業界、企業も見受けます。
転職市場においても、管理職の中途採用は原則“男女問わず”としながらも、実際には採用部署の社員構成上の問題や業務を円滑に遂行するにあたり、できれば男性を優先したいという企業が多いのではないでしょうか。
その中で、ある国内資本系企業から幹部候補の管理職ポジションでありながらぜひ女性の方も積極的に紹介してほしい、という求人依頼を受けました。
正社員採用の市場では、非常に苦労をされている事が多い40~50代の女性にとって、あまりそう多くは巡ってはこない大チャンス!と思い、その詳細を伺ってみることにしました。
女性も管理職候補として積極的に受け入れたいと考えている企業側の理由として、ひとつは、全体的に男性社員が多くを占めているので「職場の男女比のバランス」の考慮から、ということでした。そしてもうひとつは「40~50代の現役男性管理職で、転職を考えている方を正直なところあまり信頼できないから」という理由を挙げられたのでした。
やや偏見がある厳しい意見だな・・・と感じながらも、そう考える理由をもう少し詳しくお聞きしてみたところ「企業内でコアとなる世代、役割を担っており、また部下のマネジメントもしているはずの40~50代男性管理職の方が、自らの意思で転職活動をしているということは、一概には言い切れないが、企業をステップアップ・キャリアアップの踏み台にする傾向が強く、定年まで勤め上げてくれることが期待できない」ということでした。
管理職に就きながら現在転職活動をなさっている皆様は、このような企業様の考えをどう思われたでしょうか?
もちろん男女・年齢を問わず、企業の業績不振や倒産、転勤辞令に沿えないなど、キャリアアップ以外にも様々な転職理由が考えられますので、「管理職にありながら転職活動をしている=会社及びマネジメントする部下への責任感が希薄=再び転職する可能性が高い=人物として信頼性に欠ける」という推測に基づく判断は一概に頷けないところもありますが、このような厳しい考えをお持ちの企業もあるのだということに、今回私は考えさせられました。
現在は、年齢や世代に関係なく転職することにあまり抵抗がなくなってきているようですが、実際に行動へ移す前にぜひもう一度「転職すべきかどうか」を検討してみてください。
特にバブル期の大量採用で、今もなお同世代のライバルが多い、現在40~50歳代管理職の皆様、実はご自身が思っている以上にキャリアアップを目指す中途採用の転職市場は難しいものであるということを少しでも認識していただければ幸いです。
~人材紹介コンサルタント 内山 智恵~



