●内定に迷ったら…
「何のために働くのか?」
いきなり唐突な質問から始まり、申し訳ありません。
この問いかけには「食べるために働く」、「夢を叶えるために働く」、あるいは「人は働くのが当たり前。何のため働くかなんてナンセンス」等...、様々な答えが返ってきそうです。
時々「もし宝くじで3億円が当たったら、仕事を辞めて遊んで暮らす」という話を聞いたりします。確かに収入だけを考えれば働く必要はなくなるかもしれませんが、果たして本当に働くことを辞めるのでしょうか...?
働くということは、人が生きていく上で、思っている以上に根源を為しているもののようです。
姜尚中氏は近著「悩む力」の中で、働くことの第一義として「他者からのアテンションを得る」ことを挙げています。
詳細は省きますが、社会という基本的には他人同士が集まっている集合体の中で生きるためには、他者から何らかの形で承認されることが必要で、そのための手段が働くことであるということ、また「アテンション(=承認のまなざし)」を受けることにより社会の中にいる自分を再確認し、自己肯定の安心感を得て、自信につながっていく、と述べられています。
さて、ここで転職においての「アテンション」を考えてみたいと思います。
転職の場面では、求人・求職者双方のアテンションの合致、すなわち「相互承認」が非常に重要なファクターの一つとなります。
求人側からの内定は、「組織の課題を解決できる人・組織に貢献をしてくれる人・仲間として一緒に働きたい人」という承認であり、その人が働くことにより、組織が目指す方向に発展することを期待しているということです。
また、求職者の方が内定を受諾するのは、「その承認と期待に信頼を寄せることができる」という承認=『相互承認の成立』を前提として、転職で目指していることが概ね実現するという確信がある時ではないかと思います。
内定に至った段階で、転職で実現したいことが叶えられそうなのに、迷われる求職者の方を時々お見かけすることがあります。
そのような時は、『相互承認の成立』を指標に考えてみるのも一つの手段です。
求人企業に関して情報を収集し、様々な角度から検討してみてください。
それから、内定理由=承認内容の詳細を考えてみてください。
企業への信頼と内定理由に納得がいけば、企業との間に相互承認が成立していることになります。
なかなか難しい判断になりますが、まず何よりも「企業からアテンションを受けている」ということに自信を持って、是非前進して頂きたいと思います。
~人材紹介コンサルタント 中村哲子~



